ノート見学の効用
6年生の社会科。日中戦争・太平洋戦争を扱う単元です。
昨年から、この単元の導入は「焼き場に立つ少年」の写真の読み取りから行っています。子供たちに戦争の悲惨さを知らせることができるし、読み取る内容が多いという点から採用しています。
この写真からはたくさんのことが読み取れます。
子供が幼児を背負っている。→母親がいないのか。→戦争で死んでしまったのか。
何かを見つめている。→焼けた家を見つめているのではないか。→死んでしまった人達を見つめているのではないか。
裸足である。→物資がなかったのではないか。→逃げている途中に脱げてしまったのか。
ある程度読み取ってから、ノート見学。ノート見学というのは、机の上に広げたノートを勝手に見て回るというもの。これは、北海道の石川晋さんから教わったものです。
ここで、子供たちは他の人の考えを見て回ります。これの前に餌をまいておきました。それは、各自読み取ってノートに書いている最中に、「あ、○○○くん、すごくいいこと書いたねえ!!」と言っておくのです。これで、子供たちの関心が一気に高まります。「なんて書いたんだろう…。」って。
当然、ノート見学ではその子のノートに黒山の人だかりが出来上がります。読み取ってほしい内容をみんなが共有するのです。
その後、指示を出さなくても自分の席に帰ってから友達の意見をどんどん書いていきます。自分の意見のように。
発表のときに、出された意見を取り上げて「これ、書いた人!」というとほとんどのこの手が挙がります。当たり前です。見て書いたんだから。でも、子供にそんな意識はあまりありません。結構満足しています。
これによって、授業への参加率が一気に高まるのです。
こういう子供同士の関わり合いって授業にはとても大切ですね。
写真の読み取りをしてから、この写真の説明を読みます。毎回、しんとして聞いています。何とも言えない重苦しさが教室中に漂います。これが、戦争の悲惨さです。
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