社会科最後の授業
本日、6年生の社会科の最後の授業がありました。本当は先週予定したのですが、インフルエンザが蔓延していて、「全員そろってからお願いします。」という担任の先生からのありがたいお言葉があって、本日になりました。
まず、教室に行ってプロジェクターとパソコンをセッティングしようと思ったら…。
教室に行くまでの廊下で、子供たちが妙に絡む。「先生、今日、何使うんですか?」そんなこと今まで聞いたことないべ。ノートだけだよ。「あ、先生、ちょっと待ってください。」何だよ、いったい。と思っていたら…。
教室の黒板に、「ありがとうメッセージ」が一人ひとりから書き込まれていました。なあんだ、そうだったのか。素直にうれしく思いました。
教室に入ったら、拍手と、一人ひとりがその「ありがとうメッセージ」を言ってくれました。
「社会の授業はいつも楽しみでした。」「いつも面白くてわかりやすかったです。」「いろんなことを教えてもらってよかったです。」
まあ、当然リップサービスなんですが、それでもこういう企画をしてくれていること自体がうれしいですね。
「ありがとうございました。みんなのメッセージ、とてもうれしいです。最後の授業なんですが、特別なことはしません。ごめんね~。」と言って授業を始めました。
今日の内容は、「地雷の話」。TOSSの河田孝文さんの地雷の授業をアレンジしたものです。
まず、いろいろな種類の地雷を提示。「何だか、わかりますか?」
「くつ?」「カメラ?」
次々にいろいろな種類の地雷を見せていきます。だんだんに、
「地雷?」「爆弾?」
「そうです。これは、全部地雷です。地雷って知っていますか?」7名挙手。
「地面に埋めてあって、踏むと爆発するもの。」
「そうです。こんな感じで爆発します。」と爆発している写真を提示。
~中略~
地雷の被害にあった子供たちの写真を提示。そして説明。
「その辺で遊んでいて、地雷の被害にあってしまったのです。日本では考えられますか?」首を振る子供たち。
「こんな国が79カ国もあります。そして、まだ処理されていない地雷は約1億個とも言われています。地雷はいくらだか知っていますか?」
「実は300円です。」え~!と言う声。「安っ!」「そうですね。安いからこんなに広まってしまったと考えられます。で、これを撤去する費用は…。なんと10万円。」もっとびっくりする子供たち。
~中略~
「地雷撤去のために、日本では何ができるでしょう?」
「手伝いに行く。」「お金を出す。」「技術を伝える。」
「そうですね。実際にボランティアに行っている人たちがいます。そして、対人地雷除去機を作って提供しています。日本の高い技術力を生かしているのです。」
調べたところによると、日立やコマツが開発し、実際にアフガニスタンで地雷撤去を行っているようです。それを紹介しました。感心する子供たち。(こちらとこちら)
最後に今日の授業の感想を書いてもらいました。
○日本は平和だけど、世界にこんなことで困っている人がいることを初めて知りました。
○自分は日本に生まれてよかった。
○日本の技術がこんなところにも生かされているんだなと思いました。
○この人たちのために何かできることをしてあげたい。
○自分たちも募金をして役に立てたいと思いました。
などなど、表現は稚拙ですがそれぞれ問題意識をもちました。
そうなんです。ここが大事なんです。「問題意識をもつこと」なんです。
「知らない」ということは恐ろしいことです。そして「知る」ことは「力」になります。教えて考えさせること、そこを今日の授業では意識しました。
今すぐじゃなくても、この問題を思い出して何らかのアクションを起こしてほしい。そういう願いを持ってこの授業をしました。どこまで、子供たちの心に響いたかはわかりません。でも、たった一人でもいいからこの問題を解決しようと行動してくれたらうれしいです。
100円で、1㎡の地雷原をきれいにできるそうです。私もまず募金から。
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