「桃花片」と「杜子春」の共通点
「桃花片」は,何年か前までは東京書籍に載っていた物語です。6年生を多く担任してきた方は,たぶん一度は教えたことがあると思います。今は,巻末に付録的に載っています。つまり,まあ授業で扱わなくてもいいよ,余裕があったらとりあげてねってことですね。
私はこの「桃花片」が大好きなんです。読み取る内容が多いし,感動的なストーリーだし。なんでなくなっちゃったんだろ?
中国を舞台にしています。主人公の楊(ヤン)は,焼き物を焼く陶工の息子。その父も陶工でした。楊は,子供の頃,ふだん使うような焼き物ばかり焼いている父を見下し,自分が今に父を越えてやる,焼き物そのものを鑑賞できるような作品をつくってやる,と決心します。楊は若者に成長すると,すばらしいろくろの技術で器を作りますが,父はほめません。躍起になる楊ですが,いざ焼いてみると思ったようになりません。そんな楊に父は「おまえのつぼは厳しすぎるな」といいます。
その父も死に,年老いた楊は華やかな飾りつぼを焼いたりして「名人」の称号をうけるようになります。しかし,ある日楊は「本当にそうだろうか。」と疑問を持ちます。そんなときに楊は農村で見つかった桃花片(うわぐすりの名)の水滴が見つかったことを知りそれを見に行きます。素晴らしい作品に心を奪われる楊。そして,その作品は他ならぬ父の手によるものであることを知るのです。
ん~いいなあ。
本当は「宮沢賢治」の伝記を読む学習なんですが,そこは短くして,「桃花片」を読んできました。(まあいいじゃん。読み取りの学習には違いないし!)
「杜子春」は,子供たちが学芸会の劇で取り組んできた物語です。私は,この二つに共通点があると思うのです。そこで,子供たちに考えさせてみました。
さて,子供たちの読みは…。
最初は「両方とも中国」とか「と,で始まる」「老人が出てくる」などとぼけていましたが,そのうち,一人の子が
「両方とも,最後に大切なものに気づく」
と発言してから,がぜん頑張り始めました。
「きっかけがあって,それまでの考えを変えた。」
「どちらも親の言葉で成長した。」
「うわべのものが大切ではないことに気づいた。」
「華やかなものだけが大切ではないことを知った。」
「本当に大切なものは,心のこもったもの。」
おおー,いい読みじゃないですか。おもしろい。
最後に,二つの物語をポイントごとに対比して確かめました。最近,子供たちの話合いがおもしろくてたまらないです。おもに国語と社会でやっています。まあ,もともと社会好きな私は,社会での(話合いの)楽しさは味わっていましたが,国語での話合いにはまってしまったのはごく最近です。子供の頃は,国語は嫌いだったんですが…。結局,どういう授業をするか,ということなんですね。
明日は中学校の社会科県大会です。
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