ビフォー・アフターその5(最終回)
これも先週の話。発表会をした後に,問題になったことがありました。
それは…,
相談者がグループによってちがうぞ!
ってことでした。
あるグループは「石巻地域の住民」「川の近くの人々」と,民衆をあげているのに対し,
あるグループは「伊達政宗」っていってます。
T「ん~,これははっきりさせないとね~。」
などといいながら,実は発表の準備をしている段階でこのことに気付いていたので,
(お~これは,このネタで少し討論が組めるなあ)と,楽しみにしていた時間なのでした。
T「住民だと思う人はどうして?」
C「だって,実際に困るのは住民だし…。」
C「住民が困っていたので,孫兵衛に頼んだんだと思います。」
C「川のそばの人しか被害に合わないから,やっぱり住民。」
T「政宗だと思う人は?」
C「孫兵衛はもともと政宗が家来として連れてきたんだし,川を直せとか命令したと思う。」
C「住民が孫兵衛に頼んでも,政宗が決めると思うし…。」
なかなかどうして,子供なりに考えています。
この後,「おかしい」と思うところを指摘し合い,討論になっていきました。
C「川のそばの人しか被害に合わない,というのはおかしい。
洪水で米が取れなくなれば,それを食べている人は全部困ることになります。」
C「住民が孫兵衛に会うことはなかなか難しいと思います。」
C「でも,政宗が北上川を直す必要もあまりないような…。」
C「だってとった米は,殿様のものなんでしょ?」
C「え~!?そうなの?」
お~,いいぞいいぞ。話は当時の社会のシステムに及んでいます。ここで,北上川を改修することで,どんなよい点があったかを確認。新田開発と舟運にふれました。
T「米がたくさん取れると,殿様に半分ぐらいとかやるんだけど,
その集めた米ってどうするのかな?殿様が食べるの?」
C「そんなバカな」「みんなに配る」
T「えっ?ただで配るの?」
C「あ~売る」「売ってもうける」
T「だれに売るの?」
C「だれって…。」「食べたい人。」「町の人?」
T「なんで,町の人?」
C「だって,農村の人は半分残ってるから。」
T「そうそう。町の人に売ったんだよ。じゃあ,どこに売りに行ったら一番もうかるかなあ?」
C「海の方?」「町っていったじゃん。」「人が多いとこ?」
T「具体的に地名で言うと?」
C「東京?」「江戸?」
T「その通り!!当時一番人口が多い,江戸に行って売ってたんだね。」
と,つまり伊達政宗が藩の経済的政策の一環として,治水工事を川村孫兵衛に命令した,ということに気付かせ,
相談者(ニュアンスとしては依頼主)は「伊達政宗」と結論付けました。ただし,殿様ですから当時の為政者として住民の安全な生活も考えていただろう,ということは付け加えておきました。
それにしても,なかなか面白い討論になりました。まあ,もう少し盛り上がってもいいかなと思う点はありましたが。
「大改造!劇的ビフォー・アフター!北上川!」もこれが最終回です。
さよなら,さよなら,さよなら…。
でんでんでんぐりかえって,バイ,バイ,バイ~♪
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